体外受精と顕微鏡受精~費用と成功率は?

不妊治療というと、人工授精や体外受精などがイメージされやすく具体的にどんなことをするのか不安に思われる方も少なくないでしょう。ここでは、女性に行われる不妊治療の具体的な流れについてご紹介していきます。

不妊検査の結果や年齢によっては始めから体外受精を勧められるケースもありますが、自然妊娠も可能なケースの場合は「タイミング療法」から始めていきます。

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タイミング療法とは?

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検査結果に問題がない場合は、薬を一切使わない自然周期で、排卵障害などがある場合には排卵誘発剤を飲み薬や注射で投薬していき卵胞を育てます。排卵誘発剤の投薬をしながら定期的に病院を受診し、基礎体温や経膣超音波にて卵胞の大きさを確認しながら排卵日を予測してもらい、医師よりタイミングを取る日時を指定してもらい性交渉を行ないます。

場合によっては、HCGという排卵誘発剤を注射されることもあります。卵胞の大きさなどにより個人差はあるものの、HCGを注射すると約36時間後に排卵しますのでタイミングを取りやすくなります。

その後は、排卵日後に病院へ行き排卵したか否かを経膣超音波で確認してもらいます。排卵はしたものの基礎体温が高温期にならなかったり、何周期が治療をしていても高温期が持続しない場合は、HCG注射や黄体ホルモン剤の処方などをされる場合があります。排卵誘発剤として使用されるHCG注射ですが、黄体ホルモンといって排卵後に分泌されるホルモンの分泌を促す働きもある為、黄体ホルモンの補充として使用されるケースも多いのです。

ここまでがタイミング療法で行う1周期の主な流れとなります。タイミング療法は保険が適用されますので薬剤の使用や通院頻度、検査内容などにより個人差はあるものの1周期当たり大体5,000円~10,000円程の費用が掛かります。タイミング療法を何度か行っても妊娠に至らなかった場合や男性不妊、性交障害や子宮頸管トラブルなどによる精子の通過性が悪い場合、抗精子抗体がある場合には、次のステップ「人工授精」へと進みます。

人工授精

人工授精の場合も周期的な流れはタイミング療法と変わりませんが、大きく違うのが排卵期に行う人工授精です。排卵日に合わせて精液を病院へ持って行く、若しくは病院で採取し、精液を遠心分離などで精製、活性の高い精子を子宮内へ注入してもらいます。人工授精自体はあまり時間が掛からず、痛みもあまり伴いません。処置後は10分ほどそのまま安静にし、帰宅することができます。

人工授精は、一部保険適用外となりますので費用は大体1周期につき1~3万円程で成功率は5~10%と言われています。人工授精を何度か行っても妊娠に至らなかった場合は、次のステップである体外受精、顕微鏡受精へとステップアップします。体外受精、顕微鏡受精につきましては「体外受精・顕微鏡受精について」で詳しくご紹介していきましょう。

人工授精を数回行っても妊娠に至らなかった場合は次のステップである体外受精へと進みます。タイミング療法や人工授精と違い、体外受精や顕微鏡受精は診療できる病院が限られている為、体外受精へとステップアップする際、転院される方も少なくありません。また、体外受精や顕微鏡受精では使用する医薬品の量が増える他、費用の負担も大きくなります。

体外受精と顕微鏡受精とは?

では、体外受精と顕微鏡受精についてご説明していきましょう。

体外受精と顕微鏡受精は、受精方法が違うだけで他の流れはほとんど変わりません。また、自然周期で行う場合もありますが一度に沢山の卵子を採卵したい為、排卵誘発剤を使用するケースがほとんどです。周期も1周期で全てを行なうという方法だけでなく、1周期目でホルモン調整、2周期目で採卵、3周期目で移植といったように2~3周期に分けて行なう方法もあり、医師の判断を元に進めていきます。

体外受精や顕微鏡受精は大きく分けて6つのステップがあります。

1.卵巣刺激法

月経開始3日目より卵巣刺激を行なう為に連日、hMG(排卵誘発剤)を注射します。注射が効き過ぎてしまう方の場合は内服薬を、注射が無効の場合は自然周期で行う場合もあります。連日、通院できない方は自己注射も可能です。

また、排卵をコントロールする為に点鼻薬(スプレキュアなど)を使用しますが、卵巣刺激法にはショート法やロング法、GnRHアンタゴニスト法など何種類か方法があり、卵巣刺激の方法によっては点鼻薬を使用するタイミングが変わります。卵巣刺激法も卵巣の状態に合わせて変わってきますので、その都度、医師の指示に従いましょう。

2.採卵

育った卵胞から卵子を採取します。麻酔をして採卵しますので、痛みを感じることはほとんどなく採卵自体は10~20分程で終了します。採卵後は2~3時間安静にする為、回復室などがありベッドで安静にし、当日中に帰宅することができます。入院の必要はありませんが採卵前の準備から採卵、採卵後の2~3時間の安静を考えると半日以上掛かると考えて良いでしょう。

3.精子処理・培養・媒精

精子の採取は、マスターベーションにて行います。採卵当日の朝、自宅で採取しても良いですしほとんどの病院で専用の部屋が用意されていますので病院にて採取も可能です。また、当日は仕事などの都合で採取できない場合は事前に精液を採取し凍結保存することもできますので事前に医師へ相談しましょう。採取した精液の中から元気の良い精子だけを集める処理を行ないます。

4.受精・分割

このステップは、体外受精と顕微鏡受精で違います。

【体外受精の場合】
採卵した卵子と処理を行なった精子を卵管組成に似た培養液の中に入れ受精を待ちます。

【顕微鏡受精の場合】
採卵した成熟卵子1個に対しと1個の精子を細いガラスピペットを使い注入し受精させます。

体外受精の場合は、受精確認を行い正常受精している受精卵のみ移植することができます。受精卵の分割が正常に行われると次は移植ですが、受精卵にはグレードがあり一番良い状態のグレード1から最も悪いグレード5まで、5段階に分かれています。移植に適しているのはグレード1からグレード3までだといわれています。

5.移植

いよいよ受精卵を子宮へ移植します。移植には3つの方法があり、採卵から2~3日目に子宮へ戻す「初期胚移植」。採卵から5~6日目に子宮へ戻す「胚盤胞移植法」。本来はこの胚盤胞の状態で子宮へ着床します。そして「2段階胚移植法」といって初期胚を移植した後、胚盤胞を移植します。この方法では、始めに移植した初期胚によって子宮内膜の状態が活性化し胚盤胞が着床しやすい環境となるのですが、多胎妊娠の可能性が高くなります。

6.黄体ホルモン補充

移植に成功したら次は、移植した胚が子宮内膜に着床しやすい環境を作る為に黄体ホルモンの補充を内服薬や注射、膣錠などで行い、胚移植から約2週間後に妊娠判定を行います。

まとめ

ここまでが体外受精と顕微鏡受精の流れとなります。妊娠する確率は約20~30%程で、費用は病院によって異なりますが約30~50万以上といわれています。妊娠する確率はそれほど高くない反面、費用の負担は大きくなってしまうというのが現状ですが、体外受精や顕微鏡受精を行ったことで妊娠することができたという方も沢山いますので、タイミング療法や人工授精をしてもなかなか妊娠に繋がらない方は一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

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